Hazuki
Shimmura
新村 葉月
Hazuki Shimmura
路上観察をベースとして表現を展開している。
街では様々な人々の行動や記憶、思考が日々交錯し、それらは路上に痕跡となって残る。
痕跡は私たちがこの世界に生きて変化し続けている証明でもある。
些細なできごとの観察を通して、人間の営みの豊かさや、この世界の広がりに思いを馳せていきたい。
・平面作品「trace」「GAIHEKI TEXTURE」
街の壁の表層は、多くは汚れやシミ、猥雑で俗的なイメージの集積であるにもかかわらず、ときに美しさや豊かさ、懐かしさを感じさせる。その理由は、壁が無数の瞬間を内包し、時間と共に/私と共に変化し続ける存在であるからだと考えている。
壁に相対したとき、そこに残る痕跡が示す無数の瞬間が私の記憶にアクセスし、忘れかけていたことを思い出すような感覚をおぼえる。しかしそれは明確に覚えている事柄ではなく、既に何事であったかも忘れてしまっているが、なんとなく記憶しているもの——けっして印象的ではない、ずっと変わらないようで日々変化し続ける日常生活そのものの"感じ"を思い出させるのである。
壁に相対した時のリアルな感覚を表現するために、薄鋼板やペンキ、ラッカースプレー、ステッカーなど、現実の壁でも使用されている素材を用いて制作している。
またすでに現実にある特定の壁を描かずに、観察で得られた「壁を構成する要素」を抽出し、それらを組み合わせてイメージを作成している。これは現実には存在しない壁であることで、多様な鑑賞者それぞれの記憶を呼び起こす意図がある。
・壁の写真
ライフワークとして、2014年頃より、街の壁の写真を撮影している。
これらの写真は、平面作品を制作する際の参考資料やイメージソースとして活用する他、毎年年末にZINEとしてまとめている。
・プロジェクト「日常/ここに生きる」
見慣れた街、だが日々変化し続ける街の ”今、ここ” のリアルを、体に染み込ませるように「なんとなく記憶」することを目的に、ひもをつけた鉄板を引きずって街中を歩くプロジェクト。
徒歩よりも遅い速度で街を歩くと、街の細部がいつもより目に留まる。また地面の凹凸をダイレクトに受けて跳ねる鉄板によって、地面の状態(段差、ゴミ、路面の材質など)への意識も強まる。
鉄板の裏側には地面と接触した傷跡が残り、その傷跡は時間とともに錆び続ける。
このプロジェクトは不定期で行なっている。
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略歴
大阪教育大学大学院 芸術文化専攻 修士課程卒
大阪教育大学非常勤講師
<個展>
2016年 「痕跡ーTracesー」(MU東心斎橋画廊/大阪)
2018年 「都市に生きる」(アトリエ三月/大阪)
2019年 「揺れる断片」(芝田町画廊/大阪)
2020年 「Unpredictable X」(アトリエ三月/大阪)
2023年 「わすれたことを記憶する」(アトリエ三月/大阪)
2023年 「SPIRAL Creators File 新村葉月 -Street details-」(「+S」Spiral Market 大阪高島屋/大阪)
<アートフェア・イベント出展>
2015年 「あかマルシェ2015」(中之島公園/大阪)【MU東心斎橋画廊賞】
2016年 「第9回 協同企画展 おんさ」(la galerie/大阪)
「あかマルシェ2016」(中之島公園/大阪)【アトリエ三月賞】
2017年 「artstream2017」(大丸心斎橋劇場/大阪)【FM802/digmeout賞】
2019年 「art start up 100」(代官山ヒルサイドフォーラムF棟/東京)
2020年 「100人10」(ログズビル/東京)
「ART OSAKA WALL by APCA」(山川ビル/大阪)
2021年 「SICF22」(スパイラルホール/東京)
「OSAKA LAUGH&ART 2021」(大阪市中央公会堂/大阪)
2022年 「ART!ART!OSAKA 2022」(大丸梅田店15階/大阪)
「Art goes on 2022」(海岸通ギャラリーCASO/大阪)
「3331 ART FAIR 2022」(3331Arts Chiyoda/東京)
<グループ展・企画展>
2013年 「やまのこ」(パライソギャラリー/大阪)
2014年 「桃いろ展」(ギャラリー風雅/大阪)
修士制作展「杉崎里沙子・新村葉月 二人展」(ホルベインギャラリー/大阪)
2015年 「151人展」(ギャラリーそら/大阪)
2016年 「梅田0号展」(芝田町画廊/大阪)
「スマホケース展」(ギャラリーhana*輪/大阪)
2017年 「梅田0号展」(芝田町画廊/大阪)
「形/form」(アトリエ三月/大阪)
2018年 「風雅10周年記念展」(ギャラリー風雅/大阪)
「Showcase -The selection-」(アトリエ三月/大阪)
「Only One Exhibition」(Gallery Blau Katze/大阪)
2019年 「第1回大阪アンデパンダン展」(gekilin. /大阪)
「Leaves」(galerie16/京都)
2020年 「梅田0号展2020」(芝田町画廊/大阪)
「Whereabouts OSAKA」(アトリエ三月/大阪)
2021年 「Whereabouts in TOKYO」(ターナーギャラリー/東京)
「Leaves 2」(galerie16/京都)
「中崎百景inレトロ印刷JAM」(レトロ印刷JAM、協力:中崎町博覧会/大阪)
「40+ ARTISTS FIRST EXHIBITION」(JITSUZAISEI/大阪)
「3trois.」(gekilin./大阪)
「Whereabouts artfair "Many Many"」(BEM gallery/福岡)
「柔らかい街」水野魔利枝・新村葉月 2人展(アトリエ三月/大阪)
2022年 「Whereabouts TOKYO 2022」(ターナーギャラリー/東京)
「Leaves vol.3」(galerie16/京都)
「PICK UP SHOWCASE vol.33」(アトリエ三月/大阪)
2023年 「街と人」(NU茶屋町4階STANDPARK/大阪)
「SCREW DRIVER ART SHOW」(OVERGROUND/福岡)
「目利きが選ぶmy favorite展」(FEI ART MUSEUM YOKOHAMA/神奈川)
「Leaves vol.4」(galerie16/京都)
「2位じゃダメなんでしょうか、展3」(かまどの下の灰までgallery/和歌山)
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